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「見せる」でどんな仕事も効率化
ライフハック  ビジュアル  表現力 

話すだけなく、描いて見せれば、情報は確実に伝わる。
認識の食い違いがなくなり、仕事がスムーズに運ぶ。
図や文字を使い、視覚的にコミュニケーションしよう。

「仕事ではコミュニケーションが重要です。だから私は誰かに何かを伝えたい時、言葉だけでなく、図や文字を使って視覚的に訴えるようにしています。情報の共有がスムーズになり、ムダな時間を費やすことがなくなります」
昨年末までトリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長として快進撃を続けた吉越浩一郎さんは、ビジュアル表現の達人である。会議や打ち合わせなどでは必ずペンを持ち、資料にメモ書きをしたり、資料の裏に図を描いたり…。口だけでなく手も動かし、視覚的な情報を提供することによって、相手の理解を一段と深めるのである。これが仕事のやり直しを減らすといった成果をもたらす。
描いて見せる」という方法は、トリンプ時代の早朝会議で大活躍した。プロジェクターに投影した資料に吉越さんは赤ペンで次々と書き込む。疑問、指示、問題の整理…。しっかり伝えたいことを簡潔に記す。1つの議題を2~3分で処理する「即断即決」会議が機能していたのは、吉越さんのビジュアル表現力によるところも大きい。
この会議はトリンプの業務運営と情報共有の根幹である。そこで議論されたアイデアや決定された指示によってトリンプは飛躍した。増収増益を続け、「残業禁止」など時代を先取りする様々な改革も断行された。吉越さんのペンは、文字や図を描いただけでなく、会社を効率よく前進させた。

仕事のワザは目で見て盗む

吉越さんのビジュアル表現力は、日経ビジネス アソシエの連載(4月17日号で終了)でも大いに発揮された。編集部員と打ち合わせをしている最中に、吉越さんは「つまり、こういうこと」とペンを走らせ、記事内容に沿った図やイラストを描いてくれた。
これらの図は、吉越さんの講演で使われる「パワーポイント」に進化した。フリーハンドで図を描く力を磨けば、プレゼン資料をセンスよくまとめることもできる。
紙とペンさえあればビジュアル表現力は磨ける。吉越さん曰く、仕事のワザは「目で見て盗むもの」である。
アソシエ連載で描いた図はパワーポイント化されて講演で活躍

アソシエ連載で描いた図はパワーポイント化されて講演で活躍
トリンプの社長を昨年末で退き、今は講演やテレビ出演などで忙しい。講演で使う「パワーポイント」の資料には、日経ビジネス アソシエ連載コラム用に描いた図が基になっているものも多い。
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『転職活動で一向に内定が貰えません…』(32歳・男性)

<相談者の悩み>

こんにちは。SI企業に勤務している32歳の男です。入社当時はフィールド系のSEとして顧客先中心の業務を担当していましたが、3年前から事業企画系の部署にて、一応マーケティングに関する業務に携わっています。
昨年から転職を志し、色々と活動中です。理由としては、三十路に入ったこともあり、このあたりでより上の会社にキャリアアップしたいというのが理由です。今は求人数自体も多いですし。実際、私の周囲でも、この機に大手への転職に成功する人間が何人もいます。
ただ、すでに4社ほど選考を受けてはいるのですが、どうしても内定までたどり着けないでいます。書類選考自体は問題なく通るのですが、面接でどうしても空回りしてしまう感覚があるのです。
率直に言って、自分の能力にはそれなりに自信もあり、転職に成功した人たちを見ても、どうしても自分に問題があるようには思えないのです。
そこで、中途採用における面接のツボのようなものを、アドバイスいただきたいと思っています。


<城繁幸氏の診断>

診断:『器用貧乏な人は落とされる』

新卒採用とキャリア採用の違いとはなんでしょうか?
「年齢が違う」と書くと、「ふざけてんのか」と言われそうですが、これはあながち的外れでもないんですね。まだ若くキャリアの無い新卒(及び第二新卒)は、主にポテンシャル面で評価されますが、一定のキャリアを持つ中途採用応募者は、こなしてきたキャリアを中心に評価されるわけです。
これを面接する側から具体的に見ていきましょう。まずは新卒の場合。

「あなたはどういう学生生活を送ってきましたか?」
「どういう夢がありますか?」

この手の質問は、相手がどういった能力を持ちえるかを推し量るための取っ掛かりみたいなものですね。当然、学生もあの手この手のエピソードや魅力的な活動をベースに、面接官の心に引っかかるような話を展開するわけです。当然、話の範囲はとても幅広いものとなります。

一方、これがキャリア採用の場合。

「あなたの職歴を教えてください」
「これまで担当したプロジェクトでの成果は?」

なんて具合に、新卒と比べると実に具体的かつ狭い話に終始するはずです。求めるものが具体的なので、これは当然でしょう。
近年は新卒採用においても、職種別採用等、かなり絞り込んだ採用が行われるようになってはいますが、それでも依然として、両者の選考スタイルには彼我の差があるのが現実です。
一般的に、優秀なのになかなか転職に成功しない人には、このスタンスの違いに上手く対応できていない人が多いですね。具体的に言うと、面接で常に「あれもできます、これなんかもやれそうです」と、キャリアの幅広さばかりをアピールする傾向があるのです。
採る方としては、そういう人の面接をすると「結局、この人は何がやりたいんだろう」と不安になるものです。


処方箋:『必要とされるのはプロフェッショナル』

『七人の侍』という映画があります。世界の黒澤こと、黒澤明監督の代表作ですね。
映画の序盤に、街で行き交う浪人たちをスカウトするシーンがあります。浪人たちは皆、剣や飛び道具、兵法など、何か一芸に秀でた曲者揃い。あくは強そうですが、ここ一番で頼りになりそうな連中ばかりです。もしその時、「拙者は槍も剣も鉄砲も人並にはやれますよ」という人がいたらどうでしょう。少なくとも予算に上限がある場合、積極的にはスカウトされないはずです。どんなに多芸でも、体は一つしかないのですから。キャリア採用も同じことですね。
まずは、貴殿がどういうキャリアを構築したいのかをよく整理し、その上で希望する業務やプロジェクトについて、率直に語ってみてください。おそらく、これまでの面接では、新卒採用の時と同じ感覚で、自己の幅広さを中心にピーアールされていたはずです。その部分をチェックし、それに応じて職務履歴の書き方も工夫することで、問題は解決されるでしょう。
転職においては、あくまで企業も個人も対等だと考えて面接に臨んでください。それがプロフェッショナルへの第一歩です。


自分の価値観を大切にしながら働く女性たちが増えてきています。
書誌画像AERA for woman FIORE

出世でもなく、名誉でもなく、お金でもない。自分にとっての「リュクス(贅沢)」を求め、ゆっくりと着実に前を向いて歩いていく。しなやかでありながら、地に足の着いた、芯に力強さを秘めた生き方です。
自分の価値観をベースに、夢や理想をひとつひとつ形にしていく。そんな『実現女』の実例を、現在発売中の「AERA for woman FIORE」(アエラ臨時増刊)で特集しました。
「転職を考え始める27歳」から「結婚・出産に真剣に悩む34歳」まで、「アラウンド30」と呼ばれる世代を読者層に想定した1冊です。
第1特集は「自分の転機は自分でつくる」。新世代の女性経営者が語る「私の転機」、転職して輝いている女性の実例集「転職でキレイになる!」、企業でも起業でもない「NPO・NGOという第三の道」など、「オン=仕事」に役立つ情報が満載です。
注目の第2特集は「出産5カ年計画」。「出会って」「見極めて」「結婚して」「(子供を)つくって」「産む」。このサイクルを1年ワンミッションでこなして母になることがテーマ。「オフ=プライベート」の充実を望む女性必読の内容になっています。
最終面接のそのひと言が命取り


IT エンジニアの世界でも、中途採用を積極的に行う企業が増え、以前に比べて転職が容易になっている。その一方で転職した後に、「転職に失敗した」といって人材紹介会社に駆け込むITエンジニアが急増中だ。失敗しないためにできることは何か。パソナキャリアの人材コンサルタントがそんな疑問に答えよう。
プロジェクトでは、さまざまなリスクを想定して行動すると思います。転職も同じです。転職をするまでも、さまざまなリスクが顕在化する可能性があります。
しかし、失敗を気にしすぎて、本来の転職すべきタイミングを逃してしまう人もいらっしゃいます。今回は、転職をやっと決意したものの、転職をあきらめることになったMさんの例をご紹介します。
■ほぼ内定の最終面接が、あるひと言で台無しに

転職活動は、意外と体力的にも精神的にもパワーを必要とされるものです。
求人企業の求人を確認することから始まり、職務経歴書・履歴書を作成して企業に提出。場合によっては数週間以上も書類選考の結果を待ち、合否の知らせをもらいます。仕事をしながら転職活動をする場合は、残っている有給休暇や仕事の状況を気にしながら面接の日程を調整することもあるでしょう。せっかく意気込んで休暇を取ったのに、そんなときに限って不合格の連絡が……。気を取り直してほかの企業の面接に臨み、そしてやっと最終面接へ……。
最終面接は、選考の意味合いがほとんどない企業があります。そうした企業では、通常給与をはじめとする勤務条件の提示を行うのです。しかし、企業は内定を出すつもりだったのに、最終面接の場で転職希望者があるひと言を口にしたために、不合格になった例もあるのです。
ほぼ合格のはずだったのに、不合格になってしまったひと言」とは何でしょうか? その言葉を中心にある事例を紹介します。

■スキルもリーダー経験も十分だったのに

最初に紹介するのは、国内大手システムインテグレータ(SIer)で不合格になったMさん(28歳)の例です。Mさんは、国内の中堅SIerで、通信系の企業向けのソリューションの提案・開発を担当していました。
さらに大規模なプロジェクトを担当したいという気持ちとともに、年収アップも狙って転職活動を始めました。上流工程やリーダー経験もあるMさん。お会いした印象は活発な感じで、スキルも経験も十分ですし、コミュニケーション能力も高く、大手SIerへの転職も十分可能だと判断しました。そして、その転職を実現すべく、書類を数社の大手SIerに提出したのです。
Mさんの選考は、予想どおり順調に進みました。応募した5 社のうち、何社かから内定の提示を受けました。さらに、第1希望であるC社も最終面接に進みました。最終面接の内容は、執行役員との面接でした。ほとんどの方が通過する儀礼的な面接だということは、事前に人事の方から伺っていたので、Mさんにリラックスして臨むよう伝えました。
緊張しながらも、Mさんは執行役員の質問に答えていくうち、ある程度の手ごたえを感じました。そのときMさんが何気なく尋ねたのが、
「ところで、年収はどのくらいいただけるのでしょうか?」
という質問だったのです。その回答はありませんでした。その後いくつかのやりとりをして面接は終了しました。
数日後、C社の人事の方より連絡がありました。「残念ながら、Mさんの採用は見送りとなりました。理由としては、最終的に報酬などにこだわる受け身な姿勢が気にかかったからとのことです。『いくらもらえるか』というような質問もされたそうで……」
Mさんは年収にこだわっているわけではないことを、コンサルタントより人事に説明してもらいましたが、一度決定された不採用は変わらず、結局MさんはC社をあきらめたのです。

■いつものプレゼンどおり、順調に話を進めたが
Kさん(34歳)は、事業企画関係のキャリアを積んだ方です。ITエンジニアとしての経験をバックボーンに、インターネットサービスのビジネス企画・プロジェクトを推進する経験を積んできました。今回転職するとしたら3回目になります。
さらなるキャリアアップを目指すKさんが狙うのは、インターネット系の企業P社の事業企画マネージャのポジションです。P社の人事の方によると、将来的には部門のマネジメントなどを担うことが期待されているとのことでした。
P 社の最初の面接は、現場のITエンジニアとの面接でした。Kさんと同年齢ぐらいの方と若手の方が同席し、これからのアイデアを互いに出し合い、面接はかなり盛り上がりました。もちろん、その面接では合格です。面接官をした方からは、「ぜひ合格してください。応援しています」という言葉ももらったそうです。 2次面接の人事・役員面接もスムーズに進み、残すは最終面接だけとなりました。
最終面接は、一度面接した役員を含めた複数の役員との面接です。いままでのキャリアに関する説明やこれからのビジネスに関する提案などを行いました。さまざまな企業への提案に慣れたMさんの話は、周囲を引きつけました。役員とのやりとりの話も盛り上がります。そんなとき、Kさんの口から出てしまった言葉が、

「御社の問題は、○○ですね」

何となく、面接の場の雰囲気が変わったのに、Kさんも気付いたそうです。ざっくばらんな雰囲気で企業へ提案していたいつもの癖が出てしまった、と後悔しても始まりません。何とか、その場はフォローしたものの、Kさんはこの面接が失敗だと分かりました。そしてKさんの感触どおり、数日後P社から不採用の通知が届きました。

■最終面接はあくまで面接

MさんもKさんも、ほとんどの方が合格するはずの最終面接で不採用となってしまいました。その理由は、共通です。最終面接は選考であることを忘れてしまっていた、ということです。
M さんの場合は、条件の交渉を行うべきタイミングではないのに、焦って年収の話をしてしまったのが失敗のもとでした。本来であれば、最終面接の後に、私たちコンサルタントからほかの企業での内定の提示状況を人事担当にお話するなどして、年収アップの交渉は可能だったのです。
Kさんの場合は、あまりに面接でフランクになりすぎたため、まだ入社する前に企業の批判を行ってしまったことが原因でした。中途採用で入社するからには、まずはその会社のやり方などを知ってから、改善に関する発言を行う、という意識が抜けていたのかもしれません。
最終面接は、条件を確認して社長と握手をするだけ、という企業もあります。しかし、たとえいままでの実績では最終面接で不採用になった人がいない企業でも、採用通知書を手にするまでは、不採用になる可能性があるのです。
最終面接となると、長い転職活動も終わりが見えてきて、気が抜けてしまう方もいらっしゃるでしょう。しかし、最終面接でのひと言によって、いままでの転職活動が水泡に帰してしまうこともあることを忘れずに、転職活動を進めていただければと思います。
「強い個人」の「一身上の都合」

コンサルタントにとって担当プロジェクトが変わることは転職の疑似体験をしているようなものです。だから本当の転職をするときは余計に感傷的になるように思います。
転職とはとても慎重な「決断」で、しかも重要な「人生の節目」です。
以前のエントリでも書いたように、転職とは、ポジティブにやるべきであり、ネガティブにやってもいいことない、と小職は信じています。
ただ、現実、ビジネスマン・ビジネスウーマンとして活躍する多くの人達の中には、もっと複雑な事情の絡み合いの中で、「転職」する人もいます。
どんな「強い個人」であっても、辞めるときに切り出す単語。

「一身上の都合」

それは、この本を読むと、すごい感動的、衝撃的な背景に、たった6文字の言葉に続く退職(転職)へのストーリーがあちこちに存在することがわかる。
正直、今までITメディアさんからいただいた中で、一番感動的だった本です(自分的に)。
どんなに頑張っても、気遣っても、我慢しても、報われない「とき」がある。
でも、ほんとに頑張って、気遣って、我慢した人には、必ず報われる「とき」もきます。

「会社を辞めよう」「転職しよう」と何度か考える人は結構多いと思いますし、私も思いついた回数は両手どころの数ではありません。

実際一度しか転職していませんが、何度も悩み、すごい時間もかけ、検討に検討を重ね、ついに12年半いた前職を辞め、現職に就き。
あんまりリスペクトされているとも思っておらず、オフィシャルなフェアウェル(送別会)もなく、ひっそり辞めていく覚悟でしたが、幸運にも、結構数の方が送別会の場を設けてくださり、とても嬉しかったのを記憶しています。
意外に狭いこの世の中。
みんな、すごーく悩みに悩み、考え抜いて退職・転職していく。
丁寧に進めている人、イコール、日頃の仕事でも丁寧な姿勢で明確に意志ももって進めてきた「強い個人」には、会社を去っても強い人的ネットワークが残ってくれます。


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